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出演：翡翠 孔雀 「さて、今日ご紹介するのは・・・」 「うわぁ、これはお買い得だぁ！」 「・・・孔雀、まだ紹介してないんだけど」 「ああそうか」 「えー、今日ご紹介するのは、この強力電熱器です！」 「お値段は？！」 「それは機能を紹介してからだろ！」 「だって、台本にはそう書いてある」 「え？！落丁してるんだったらどうして先に言わないんだ！」 「落丁って？」 「・・・もういい、君は適当に相槌を打ってなさい」 「はいはい」 「どこまで言ったっけ？」 「強力電熱器です、までだ」 「ああそうか。えええ、この電熱器は掌サイズの大きさにも関わらず、非常に 強力なんです！」 「だから強力電熱器っていうんだろ？」 「そりゃそうなんだけど」 「何に使えんの？」 「どのくらい強力かと申しますと、なんと車のボンネットで、目玉焼きが焼け るんです！」 「なんでわざわざボンネットで目玉焼きを焼かなきゃなんねーんだよ。フライ パンじゃ何か不服なのかよ」 「いや、そうじゃなくて、それくらい強力なんだよ、ってことだよ」 「ああ、なるほど。で、それで何したらいいの？」 「えーと。・・・賊避けのために壁に高圧電流を流す、発泡スチロール細工を したいときに、ストーブなどの暖房器具が壊れたときの代替品に・・・」 「・・・わざわざコレを買ってまで使いたかねーな」 「・・・そうだよね」 ------とにかくお勧めしろ！との指示が入る 「え、ええと、とにかく強力なんです！」 「そりゃもうわかったってば」 「ゴミを燃やしたいときにも使えるかも」 「ふーん。テストで悪い点とったら、コレで燃やしちまえるぜ、そこの高校生！」 「こらこら」 「で、お値段は？！」 「お値段はお買い得特価の、何と一万円！」 「たっけーなあ！」 「二つセットだと、二万円となるところを、今回は特別ご奉仕価格といたしま して、一万二千円でのご提供です！」 「なんで最初から一個六千円にしねーの？」 「僕に聞かれたって知らないよ」 「そりゃそうだ」 「いまなら特別プレゼントとして、高級羽毛掛け敷き布団セットをおつけします！」 「おいおい、本体よりプレゼントの方が高価なんじゃねーのか」 「そうかもしれない」 「まあいいや。羽毛布団を買ったと思えばいいんだから」 「いやいや、まだまだあるんです！」 「ええっ、これはお買い得だ！」 「いまならダブルチャンス！この、高級輸入車、メルセデス・ベンツを一台・・・」 「・・・マジ？」 「・・・みたいだね」 「一万円の電熱器買ったプレゼントが、ベンツ？」 「ミニカーとかじゃないみたいだね。あ、車検料とかは個人負担みたいだ」 「だろうな」 「えーと、更にチャイルドシートをおつけして、今なら一台たったの一万円！ 一万円です！」 「お前、ヤケになってるだろ？」 「うるさい！電話番号は、○○○の○○○○番です！今すぐお電話を！」 「お待ちしております！」 「・・・」 「・・・」 「・・・これ、インチキかな？」 「わっかんねー・・・」 「普通、買わないよね？こんな胡散臭い商品」 「でも、羽毛布団セットとベンツだろ？話の種に、買うヤツがいるかもしん ねーぜ？」 「詐欺で訴えられる前に、帰っちゃおうか？」 「うん、そうしよう」 「帰ろ帰ろ」 「そーしよ」 教訓：うまい話には落とし穴がある（ちょっと違う） |