|
「コレは氷に対する質問だね」 「そうだな。おーい、氷、ゲームやってねーでこっちに来いって！」 「何だよー今もうちょっとでクリア出来そうなのにー！」 「いいから来いって！えーと、子供が好き嫌いを言ってちゃんと飯を喰わない時はどうしますか、ってお前に質問来てるぞ」 「えーオレに？」 「お昼ご飯の時なんか、大変じゃないのかい？」 「んーん、そうでもないけど？」 「そうかぁ？ウチで星夜を預かったときなんかもう、アレはイヤだナニはキライだ、もううるせえの何のって！ほんっと疲れたぜ」 「え、星夜って『ガーディアン』の？あいつ、この間好き嫌いはないよーとか言いながら何か喰ってたぜ」 「なにーー！！」 「遊ばれたんじゃないの、君？」 「・・・」 「あーソレあるかもな。ガキってよー相手のことよく見てっからなー」 「氷、君は？わがままを言われて困ったことはないのかい？」 「ねーなあ。大概さ、こーやって眉寄せてかなしそーなカオしたら、ガキ同士で何だかんだうまいことやって、揉め事も大きい子が中心になって片付けてるぜ」 「・・・君、違う意味でも幼児ゴロシだよね・・・」 「ガキも手玉に取る保育士かよ・・・」 「だってオレ、ガキ嫌いだし。なるべく騒がれたくねーじゃん」 「じゃ、ご飯を食べさせるときも？」 「てゆーかさ、オレんとこは幼稚園だから、手取り足取りしねーと喰えねーのはいねえんだけどな」 「でもさ、そんでも好き嫌いってあるじゃん。喰わねえのとか居んだろ？」 「あー居るなー。もー蹴飛ばしてーよなー、そーゆーの」 「こらこら！」 「どーしてんの、そーゆー時？」 「んー？蹴るわけにもいかねーし、やっぱアレよ、食べてくれないと先生悲しいなーとかいって泣きそうなカオしたら、大概喰うな」 「ふーん、そういうものなの？」 「うん、大概はただのわがままだからな。アレルギーがあってヤバい喰いモンとかは先に親から聞いとくし」 「それでも、どうしても食べられないものとか、あるじゃない？単なる好き嫌いでも。そういう時は、どうするの？」 「無理に喰うと吐き戻しちまうくらいキライなものってのもあるよなあ。ガキの頃ってさ」 「うん、そーいうのは無理に喰わせてもゲロするからさ、ちょっとだけ喰わせんだよ。一口だけ、とか一個だけ、とかさ。それを長い時間かけて少しずつ増やすか、増やすのが無理なら、せめて続けさせる」 「・・・星夜みてーにハナから喰わねーのは？」 「うーん、そーいうのはオレ見たことねーから・・・」 「全部、『食べてくれなきゃ、せんせい泣いちゃう』かよ？」 「うん」 「・・・」 「・・・」 「・・・親に何かアドバイスしてやれることねーか？」 「えーとね。ま、どーせいつかは治っていくし。焦らずやれば？その好き嫌いのせいで死ぬってこともねーんだからさ？」 「さすが、実務者の話は説得力があるね・・・」 結論。 「焦らず地道に。子育てに抜け道なし。」 「でも実際んとこさー。どうよ？」 「好き嫌い言うガキはとりあえずヒネる」 「言ってることと違うだろー！」 「だってオレ、ガキ嫌いだし〜」 ヒネってはいけませんよ。 |
感想・「お題」リクエストなど何でもお気軽に。
「一言」以外はお名前・メールアドレス未記入でも送信可。