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「ですって、マリアさん」 「・・・その設問自体、虚しくないか？」 「どうしてですか？」 「考えたところで、どうせ自由な時間なんか取れやしないだろうが」 「そ、それを言い出したら先に進まなくなってしまいますよう」 「お前は何をしたい？ルカ」 「えーと・・・携帯端末のバージョンアップでもしようかな。処理速度を三十パーセントアップできるキットが発売されたんですよ！」 「・・・お前、いつか不法アクセスで捕まるぞ」 「大丈夫ですよ、バレないようにやってますから」 「刑事の台詞か！」 「マリアさんだって『バレなきゃやってないのと同じだ』って言ってるクセに」 「何言ってやがる、お前に比べりゃあたしのやった事なんざ可愛いもんだ！」 「何言ってるんですか、容疑者にロシアンルーレットさせるなんてちっとも可愛くありません！」 「ちゃんとタマ抜いた方を渡したろ！」 「そういう問題じゃありませんっ！やらなきゃ殺す、って弾の入った銃で脅したでしょ！」 「そういうお前だってやらなきゃ手足の爪を全部剥がすって脅したじゃないか！」 「殺すよりずっとマシでしょう！」 「生爪剥がされるよりはいっそさっぱり殺されたほうが良いに決まってらぁ！」 「死ぬより生爪剥がされる方がマシだって人だって居ます！」 「居るかバカヤロー！」 ------刑事課長より、軌道修正しろ！との指導が入る------ 「・・・怒られたじゃないですか」 「あたしのせいだって言うのか」 「・・・まあ良いです。で、マリアさん、一日好きに過ごすとしたらどうします？」 「寝てる間に過ぎてると思う」 「・・・夢のない人ですね、ほんとに。デートしたいとか趣味のことをしたいとか言えませんか」 「相手もないのにデートできるか。それとも何か、お前が相方つとめるとでも言うのか」 「しろと言われれば・・・ってオトリ捜査じゃないんですから！」 「・・・ああそうか、『デート』と言えばオトリ捜査のことだと思い込んでるな」 「・・・マリアさんがなかなか結婚できないのは刑事課の劣悪な環境が悪影響を及ぼしているからだと言えそうですね」 「お前それは嫌味か皮肉かどっちだ」 「どっちでも一緒だと思いますけど」 ------しばらくお待ち下さい------ ------しばらくお待ち下さい------ ------しばらくお待ち下さい------ ------二人を分けていた救護班が帰る。------ 「・・・で、僕を殴る以外に何かしたいこととかないんですか？」 「特にない。」 「寝る以外に？」 「・・・ゆっくりメシ喰いたいな」 「食事ですか」 「ああ。いっつも、詰め込むような飯の喰い方しかしてないからな」 「そういえばそうですよね。このところずっと、まともな食事してないなあ・・・」 「だろ？別に、豪華なモン喰いたいってわけじゃないけどさ。・・・」 「・・・じゃ、今度非番が来たら、食事に行きましょうか？」 「あ、良いな。でも払いは割り勘だぞ」 「当たり前です、僕だって家計は苦しいです」 「次の非番っていつだろうな？」 「さあ、このところずっと潰れてますよねえ。・・・でも、楽しみが一つ出来ましたね」 「・・・ああ、そうだな」 結論。 ゆっくり食事をしたあとで不法アクセスをする。 「違うだろー！！」 |
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