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重要な相談がある。 深刻な声で告げられ、呼び出された翡翠は孔雀の実家へと赴いた。 「今夜、九時から映画がテレビ放映される」 真剣な表情で孔雀が言った。 「一方、ここにレンタルしてきたＤＶＤがある。今夜中に返さないと延滞料を取られてしまう」 「・・・返せば？」 「まだ見てない」 「じゃ、見てから」 「ところが九時から放映される映画を録画しなくちゃならない」 「どっちか好きなほうを選べばいいじゃない。どっちも、っていうのは無理が」 「録画するのはお袋が見たいから録っておけと言われた映画なんだ」 「・・・どっちにしたって君が選ばなきゃ」 「だから相談してんだろーが」 孔雀は心底、深刻な表情で言った。 「この場合、どうするのが正しいと思う？」 「・・・わかったよ。延滞料は僕が出してあげるから、母上に頼まれたものを録ってからゆっくり借りてきたＤＶＤを見なさい」 「わかった、そーする」 なんでもカネで片付くとは思っていない。だが、・・・たった数百円で孔雀の「深刻な悩み」から逃げられるのならば、安いものだ。 金の力は偉大だ、と翡翠は哀しさを噛み締めていた。 |